• CHIHIRO SHIOZAWA

働きながら一級建築士に合格する【設計製図編】~私が合格できた理由~

一級建築士設計製図試験、どうしても受かりたいんです。

「どうしても受かりたい。」


学科試験をめちゃくちゃ頑張ってその後に迎える製図試験。もう二度と学科はやりたくない。あれ以上のパフォーマンスは今後できない。と一発で受かろうと固く決意した受験生は少なくないはずです。私(塩澤)もそうでした。

しかし、学科通過が判明した直後から燃え尽き症候群と言いますか、なかなかうまく製図へ気持ちの切り替えが出来ずにかなり時間をロスしてしまったのが実際の私。今回はそれを乗り越えて製図試験を無事合格して一級建築士になったお話です。私が合格できた理由を自己分析しています。


皆様のお役に少しでも立てれば幸いです。(今回はお伝えしたいことが多くて少し長めの内容です。)


※私独自の視点からお届けします。

※課題の分析や作図法などの話は出てきません。資格学校や専門書籍にお任せします。

 

関連記事1:働きながら一級建築士に合格する~仕事と学科試験をクリアする~

関連記事2:働きながら一級建築士に合格する【学科試験当日編】~知っておけば焦らないこと~

 

では始めましょう!

以下の構成で進めます。

  1. 製図試験で求められること

  2. 課題と実務経験

  3. 6時間30分

  4. 資格学校

  5. 睡眠時間の考え方

  6. 道具


1.製図試験で求められること

製図試験はデザイン的なことより、要求に対しすべて答える解決力とそれを時間内に成果物として納める力が問われます。仕事で言う〈打ち合わせで出てきた発注者の要求事項を解決し、作図し、プレゼンテーション資料を作り次回提出〉を6時間30分でやるということ。むしろ要求があいまい、デザインを複数パターン作る、といった現実より簡単じゃないですか?あとは時間だけ!私はそう思ってマインドをプラスに変換しました。さぁ行きましょう!


2.課題と実務経験

2022年は「事務所ビル」ですね。

私の年は「美術館」でした。実務経験ある方が少なそうな用途ですよね。


私は製図試験において用途毎の実務経験はそこまで合否に影響しないと思っています。


なぜなら、課題はすでに公表されています。建築物にかかってくる法規、構造、設備はしっかり対策できますし、必要諸室は[要求室]として与えられています。

実務経験で優位に立つ点があるとすると、日常的に計画を行っているかでしょうか。業務で計画を行っている人は用途が何であれ、敷地条件に柔軟に対応しエスキスをまとめられる力を自然と養っています。時間不足の大きな要因の一つであるエスキスにおいて差をつけることができるでしょう。

私自身、社会人1年生の後半から集合住宅の計画を月にいくつか与えられていました。(スパルタ!)一度気持ちが離れてしまいそうな時期からリカバーできたのは、実務で鍛えられていたからだと思います。


(学生の方の受験生へ)

実務経験がなくても恐れることはありません。パズルを解くようにバラバラのパーツをあるべき所へ納めればいいのです。大切なことは一つ一つの要求に対して丁寧に答えることです。抽象的な言い方ですが、実務でも同じなんです。小さな要求も見落とさず、ないがしろにせず答えてあげればいいものが出来ます。当たり前ですが、答えるためには法規、構造、設備の知識が必要です。しっかり学科を学んで通過したわけですから大丈夫。実際にその知識を使って計画するのみです。


3.6時間30分

製図試験は6時間30分。めいっぱい使って戦います。資格学校ではエスキス→記述→作図→見直しの流れを推奨していますのでそれに沿ってお話を進めます。


エスキス

最短でゴールを目指すことができる最初で最大の難関と言えるでしょう。

エスキスでは検討することが多い上に何一つおろそかにできませんが、私が特に大切にしたのはとグルーピング(色付け)とコア周りです。


 グルーピング(色付け):各要求室を「プライベートとパブリック」「利用者ゾーンと管理者ゾーン」など、対局にあるものをなるべく2色(例えば青と黄色)で分けるようグルーピングすることから始めました。また、双方から利用する室は中間色(緑)とし、ゾーニングを視覚的に行っていきます。問題用紙の[要求室]も同色でマーキングします。たまに迷う室もありますが、そこはさっさと模範解答を見ましょう。この先、平面、断面計画はこの色を意識しながら進めます。エスキス完成後、平面図や断面図の見直しをする際、図面上の各室を[要求室]リストの色で囲いながらチェックします。可視化しておくことは動線のバッティングなどのミスを防げますし、時間の短縮にもつながります。


 コア周り:エレベーターや階段はスパン割りやプランニングに大きく影響する部分です。パターンをいくつか用意しておいた方がいいでしょう。特に大きな面積が与えられている室がある場合はそれを避けて配置しながらも避難距離などを考慮しなければいけないため、早めにFIXすることを心掛けていました。


記述

作図では表せないことを伝えるチャンスと思い大いに筆を振るいましょう。特に環境計画や設備計画は現在流行っている・問題視されているワードを入れることが重要だと思います。ここは採点者へアピールする場、プレゼンテーションの場です!


作図

私が心掛けたことは「濃く書く!」です。

これは一級建築士の母からのアドバイスでもあります。

モチベーションだだ下がりだった私は初めてのトレースでただその一点のみ注力しました。その結果、担当講師より「残り時間少ないけど、この図面なら受かるな。」と温かい言葉を頂いてモチベーション再浮上したわけです。(今でも忘れません。先生ありがとうございます。)

採点者はAIではありません。人間です。うすぼんやりとした図面より濃淡のある図面の方が好感が持てます。また昔から言われていますが植栽の書き方は練習しておきましょうね。


④見直し

②でマーキングしたエスキスと問題用紙が役に立ちます。それらを見ながら答案用紙Ⅰで完成した図面に脳内で色付けしながら確認作業を行います。また、問題用紙を最初から読み、要求事項・留意事項の一つ一つを解決しているか、記載すべき事項が抜け落ちていないか、を確認します。そして時間に数分でも余裕があれば外構関係(植栽・タイルなど)にもう一度手を入れて「映える図面」の完成です。(実際、私は残り数分、植栽に陰影をつけたりして、試験終了の喜びをかみしめていました。)


4.資格学校

私は学科+製図コースで申し込んでいたN学院さんにお世話になりました。しかし受験生同士のグループワークに意味を感じられず、早々に行くのをやめてしまいました。そこからは主に自宅でトレース作業やエスキス、記述の勉強を行いました。

学校との付き合い方は、初めてのトレースで合格点を頂いたので、その後図面を見せることはあまりせず、不明点があった時のみ学校へ行き講師の方に個別で質問していました。ですから製図板を持って移動ということはほぼしてません。


5.睡眠時間の考え方

「人間の睡眠サイクルは3時間」と昔何かで読んだ私は「よし、6か3ね。中途半端に睡眠取って体や脳のリズムが狂うのは嫌だな。」と毎日の睡眠時間をどちらかにすることを決めました。ちなみにこの解釈であっているかは不明です。

特に私の場合、停滞期があったので圧倒的に時間が足りず、試験前10日くらいからは毎日3時間睡眠を実践してました。おそらく自己暗示にかかりそれに若さも手伝って、ランナーズハイ気味に通常業務と勉強を行っていたと思います。

トレース時代はまだ慣れていないので3日で2枚を目標に。課題に移行した後の追い込み時期は1日で1枚を目標に仕上げました。平日の話です。終業後なんやかんやで21時からスタートしても3時間睡眠なら6~7時間勉強できるじゃないか!という感じです。今はできません。上記はあくまで私の場合ですが、睡眠との付き合い方をコントロールできればいいコンディションで当日臨めると思います。


6.道具

製図板は昨年度合格した先輩からお借りしました。各道具はオーソドックスなものばかり使っていたと思いますが、シャープペン替芯は折れにくいを謳っているものにしました。柔らかさ、濃さから2B!濃淡が出せますし、消しやすいです。ハイユニが好きです。あとは消しゴムですが、エスキスは通常の四角い消しゴムを使い、作図はペンタイプの消しゴム(直径7㎜)にしていました。もっと細い直径もありますがこれはボロボロ折れるのでおすすめしません。マーカーペンはお忘れなく。



 

最後に(まとめ)

以下、私が一級建築士に合格できた理由、まとめです。【製図編】


1.製図試験で求められること

「要求に対しすべて答える解決力とそれを時間内に成果物として納める力」を意識。

2.課題と実務経験

日常的に計画を行ってエスキスに強くなる。一つ一つの要求に丁寧に答える、見落とさない。

3.6時間30分

①エスキス:各室のグルーピング(色付け)とコア周りを早めにFIX。

②記述:プレゼンテーションの場と思って大いにアピール。

③作図:濃く書く。

④見直し:数分でもあれば「映える図面」に仕上げる。

4.資格学校

お金を払っていても無意味だと思ったら自分でやる。

5.睡眠時間の考え方

コントロール方法を見つける。

6.道具

柔らかく濃く折れないシャーペン、消しやすい消しゴム。


当日は落ち着いてください。焦ったら負けです。受験生の皆様、応援しています。


 

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